四国大学     藍の家 研究室
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「すくも」づくり   


9月下旬にはいると「すくも」づくりにはいります。乾燥した葉藍に水をかけ発酵にかかります。
一週間に一度切り返しを行い発酵を進めます。約3ヶ月でできあがります

   

1)寝床について

「すくも」づくりは、屋内で行います。乾燥した葉藍に水をかけ、堆肥を作るように発酵(腐らせる)させて、インジコの成分を凝縮させます。発酵を促進させるためには、水と温度の管理が大切です。これらの発酵を土間の上で行います。その土間のことを「寝床」と言います。また、徳島では納屋全体をさして寝床とも言っています。

土間の構造
表面から粘土の層(30p程度)その下に、「もみがら」(20p)、その下に、砂(5p程度)その下に、砂利などを敷き詰めて水分の上昇を抑え、発酵温度が地下へ逃げないようにしています。








2)すくも作り

つくも作りの時期・・・・9月下旬頃からはじまります。冬場の仕事として2月下旬まで順次行います。
 
1回目の切り返し

かるく葉藍に水を打ちながら山積みにします。生産量が少ない時は、毛布などで保温をする必要があります。山積みした葉藍に毛布などを掛けて保温をしています。完成キロ数が「すくも」250キロ程度を目標にしています。山積みした葉藍の発酵温度(中心の温度)は、約70度くらいになります。
必ず1週間に1回は切り返しを行います。
研究室の場合は,生産量が少ないため発酵温度が上がらないことがありますので,毛布等をかぶせて保温をしています。





2回目の切り返し

山積みした葉藍を、 たてに切って混ぜます。 このときに水をかけて、 湿り気を補給します。水の量は、葉藍を握ったとき、手に湿り気が残り、強く握ると少し水が指の間から出る程度の水分量とします。切り返しが終わると,また,山積みをして毛布などで巻いて保温をします。





3回目以降

2回目の作業を、 以後繰り返し行います。切り返しと発酵が進むにつれて、 すくもが固まり玉になることがあります。玉になるとその中の発酵が止まってしまうので、砕いて発酵させる必要があります。
切り返して空気と水分を補給し発酵させる作業を12回から15回繰り返すと「すくも」のできあがりです。

発酵の停止は、発酵温度の低下と水分の蒸発が少なくなり、水分を補給しなくても湿り気がある状態になります。切り返しをして空気を入れても発酵温度が上がらずさめてしまう状態になり、最初の葉藍の量のかさが5分の1ぐらいに減少し、土のようになるとできあがりです。